かぜをひきやすい季節がやってきました
11月に入り、朝晩の冷え込みがいっそう厳しくなってきました。空気も乾燥しはじめ、のどの痛みや鼻水、せきなど「かぜかな?」と感じる方が増える時期です。
かぜ(かぜ症候群)の多くはウイルスが原因で、一般的には数日〜1週間ほどで自然に回復していくとされています。市販のかぜ薬は、ウイルスそのものをやっつけるのではなく、つらい症状をやわらげて、体が回復するのを助けるためのお薬です。
薬局の棚にはたくさんのかぜ薬が並んでいて、「どれを選べばいいの?」と迷われる方も多いのではないでしょうか。今回は、かぜ薬の選び方と、飲むときに気をつけたいポイントをまとめました。
「総合かぜ薬」と「症状別のお薬」の違い
総合かぜ薬
熱・のどの痛み・鼻水・せきなど、いくつかの症状にまとめて対応できるよう、複数の成分が配合されたお薬です。
- 症状がいくつも重なっているときに便利
- 一方で、今は出ていない症状の成分まで飲むことになる場合もあります
症状別のお薬
- 解熱鎮痛薬:熱・のどの痛み・頭痛が中心のとき
- 鼻炎薬:鼻水・くしゃみ・鼻づまりが中心のとき
- せき止め(鎮咳去痰薬):せきやたんが中心のとき
- のどの薬(トローチ・スプレーなど):のどの痛み・はれが中心のとき
**「いちばんつらい症状はどれか」**を考えて選ぶと、必要な成分にしぼったお薬を選びやすくなります。
漢方薬という選択肢も
かぜのひきはじめで寒気がする方向けのもの、のどの痛みが中心の方向けのものなど、漢方薬にもかぜに使われるものがあります。体質や症状のタイミングによって合うものが変わるため、選ぶときは薬剤師・登録販売者にご相談ください。
かぜ薬を飲むときに気をつけたいこと
① 同じ成分の「重複」に注意
総合かぜ薬と解熱鎮痛薬、鼻炎薬などを一緒に飲むと、同じ成分(または似た働きの成分)を重ねて飲んでしまうことがあります。たとえば、解熱鎮痛成分や、鼻水を抑える抗ヒスタミン成分などは、いろいろなお薬に含まれています。
複数の市販薬を同時に使うときは、必ず成分表示を確認するか、薬局でご相談ください。
② 眠気が出る成分に注意
鼻水を抑える成分やせき止めの成分の中には、眠気やぼんやり感が出やすいものがあります。
- 服用後の車の運転や機械の操作は避ける
- 高いところでの作業や、お年寄りの方のふらつき・転倒にも注意
- お酒と一緒に飲まない(眠気などが強く出るおそれがあります)
③ 病院のお薬を飲んでいる方は特に注意
血圧・心臓・糖尿病・緑内障・前立腺肥大などで通院中の方は、かぜ薬の成分によっては持病に影響が出たり、病院のお薬と飲み合わせが良くなかったりすることがあるとされています。
市販薬を買うときはお薬手帳を見せていただくと、薬剤師が飲み合わせを確認できます。
④ 用法・用量と年齢を守る
- 決められた量・回数を守り、「早く治したいから多めに」は避けましょう
- お子さま用のお薬は、対象年齢を必ず確認してください
- 妊娠中・授乳中の方は、使える成分が限られることがあります。必ずご相談ください
⑤ 抗生物質は「かぜのウイルス」には効かない
「かぜをひいたから抗生物質がほしい」という声を聞くことがありますが、抗生物質は細菌に対するお薬で、かぜの主な原因であるウイルスには効果がないとされています。医師が必要と判断した場合に処方されるお薬ですので、以前もらった残りを自己判断で飲むのはやめましょう。
お薬と一緒に大切にしたいこと
かぜ薬はあくまで「回復のお手伝い」。体を休めることがいちばんの基本です。
- しっかり睡眠をとる
- こまめな水分補給(熱があるときは特に意識して)
- 消化のよい食事(おかゆ、うどん、スープなど)
- 部屋の湿度を保つ(目安は50〜60%程度とされています)
- 無理に出勤・登校せず、周りにうつさない工夫(マスク・手洗い)を
こんなときは早めに受診を
次のような場合は、市販薬で様子を見るよりも医療機関の受診をおすすめします。
- 38℃以上の高熱が続く、急に高い熱が出て全身がだるい(インフルエンザなどの可能性も)
- 市販薬を5〜6日ほど飲んでも良くならない、または悪化している
- 息苦しさ、胸の痛み、ゼーゼーする呼吸がある
- 水分がとれない、ぐったりしている
- 乳幼児・高齢の方・持病のある方・妊娠中の方で症状がつらいとき
「ただのかぜだろう」と我慢しすぎないことも大切です。 迷ったときは、薬局でお気軽にご相談ください。
あしだ薬局からひとこと
かぜ薬は種類が多く、パッケージだけでは違いがわかりにくいものです。「鼻水がひどいけど眠くなるのは困る」「血圧の薬を飲んでいるけど、このかぜ薬は大丈夫?」など、どんなことでもお気軽にお声がけください。お薬手帳をお持ちいただければ、今飲んでいるお薬との飲み合わせも含めて、症状に合ったお薬選びをお手伝いいたします。寒い季節、どうぞお体を大切にお過ごしください。
あしだ薬局 薬剤師